アートの本

「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考
「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考

自粛期間で本の売上は伸びてるそうですね。本離れとか、紙ベースの物は売れない、ではなく、ただみんな時間がなかっただけだった というのをネットのニュースか何かで見ました。


今回のブログでは私が読んで良かったアートやアート教育に関する本を4冊紹介していこうと思います。興味深く思うものがあったら見てみてください。

目次
目次

一冊目はこの自粛期間中私が読んでいた、この「「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考」(末永幸歩 著、ダイヤモンド社)


まず、言葉が優しく分かりやすい。そして各章がそれぞれ一つの考える為のレッスンになっていてまとまりも分かりやすいです。

近現代のアートの代表作を時代を追ってピックアップしていて、読者に問いかけながらアートの本質を体験として示してくれています。絵画教室でも問いかけと直感的な感想を言えるような「アウトプット鑑賞」をやってみたいと思いました。

大人には忘れかけた創造性と感性を取り戻すために、子どもには感性の幅を広げるために、創造性を解放したい時にまた読み返したくなるような一冊だと思います😊


近代美術史テキスト
近代美術史テキスト

2冊目は「近代美術史テキスト」(中ザワヒデキ 著、トムズボックス)


この本は全編手書きで、図版まで手書き。やや見づらい感はありますが、内容は分かりやすいです。この著者、本としてものを伝えるというより、この本自体が作品という捉え方なんだろうと思います。この著者の別の本も読みましたが、その本も作品としてのコンセプトがある本になってます。話すと長くなるのですが、もう一つの画像のように、フォンタナのキャンバスを切り裂いた作品の図は実際にページが切れていて、その先3~4ページに渡りその切れ込みがあります。独特なこの本は一般書店では扱っておらず、美術館などのミュージアムショップやネット通販で入手可能です。


内容は印象派以降の美術史です。この著者は近代日本美術に詳しく、興味深い独自の視点で美術史を辿っています。「テキスト」と名乗っているように、たまに復習したくなります。





実際に切り裂かれたページ
実際に切り裂かれたページ

小さなこの本にはこのような仕掛けもあったり、索引(もちろん手書き)や、著者近影(もちろん手書き)がちょっと面白おかしくもあります。


子どもの絵をダメにしていませんか
子どもの絵をダメにしていませんか

3冊目は「子どもの絵をダメにしていませんか」(鳥居照美 著、大月書店)


図書館で借りました。

これを読んで、現在はやっていませんが、子ども(特に幼児)に楽しく創造的な時間を共有して欲しいと思い、ウェルネスパークでの「お絵かきあそび」を企画しました。子どもたちは絵の具を好きに使い、大きい紙に描くことをとても喜んでいました。


借りた本なので詳細な所まで記憶はありませんが、この本では、子どもの絵が成長していく過程と、その前の大人にはイタズラとも思ってしまうぐちゃぐちゃの線などの解説や遊びの体験としての機会について書かれていました。


「最初から絵が嫌いな子はいない」「嫌いにさせているのは大人」と気付きました。絵画教室をやる上で、楽しむことを第一に、否定せず認めた上でアドバイスや指導を心掛けて接しています。絵画教室のことを考えた時にとても参考になった一冊です。


ラッセンとは何だったのか?消費とアートを越えた「先」
ラッセンとは何だったのか?消費とアートを越えた「先」

最後は現在絶版のようで、これも図書館で借りました。「ラッセンとは何だったのか? 消費とアートを越えた「先」」(原田裕規 他 著、フィルムアート社)


「13歳のアート思考」でいう研究の根がなく技術だけで作品を作る『花職人』とは正にラッセンのような作家だと思います。


私が初めてラッセンを認識したのは地方の高校で美術部だった私に母が近くのホテルのホールの催し物で展覧会やってるから見てくれば?とのことで、行った展覧会でした。地方でもちょっとした展覧会をするくらいには有名なのに美術史には全く出てこない。その存在すら忘れていたのですが、ふと思い出し、ネットで調べてみた所、作家活動のヒントになるのではないかと読んでみました。


前述の中ザワヒデキを始め、色々な方がラッセンやその周辺、その売れるようになった背景などの分析を書いています。

売れるようになりたいと強く思いますが、アートの本質も失いたくない。一人で制作してると色々脱線したり、見失うことも多いのですが「インテリアアート」という言葉は頭の片隅に留めておこうと思った一冊です。